トラタニのショーツ研究 TORATANI SHORTS RESEARCH

お尻の形は、動くたびに変わる

女性用ショーツは、立っているときだけではなく、座る、かがむ、歩くなど、さまざまな動きの中ではかれています。お尻の形も、姿勢や動作によって変わります。

ショーツのフィットを考えるには、立ったときの形だけでなく、動いたときにお尻のどの部分が、どのように変わるのかを見る必要があります。そこで、3D人体計測や体表変形の研究を調べました。

動作とヒップの形

動くと、お尻の
どこが大きく変わる?

お尻全体が同じ割合で広がるわけではありません。
姿勢によって、変化の大きい場所が違います。

衣服研究では、立位だけでなく、座位・膝を曲げた姿勢・一歩踏み出した姿勢などを3Dスキャンして、下半身寸法の変化を測っています。

01

日常の動きで、お尻の形はどのくらい変わる?

よくある動作について、変化の大きさと、どこがどう変わるかを5段階の目安で整理しました。

5段階は、複数の研究から整理した目安です

歩く・階段・前屈・座る・かがむ・しゃがむの6動作を、同じ条件で直接比較した実験データはありません。股関節や骨盤の動き、座位の3D計測、体表面の伸びなどの研究結果を組み合わせて、変化の大きさを整理しています。

歩く
●○○○○ 変化は小さい
左右交互に軽く形が変わる

股関節の曲がりは比較的小さく、お尻全体の形は大きくは変わりません。片脚ずつ動くため、左右交互の変化が中心です。

階段を上る
●●○○○ やや変わる
片側のお尻下部と太ももの境目が変わる

歩行より股関節が深く曲がり、上げた脚側でお尻の下側から太ももへのつながりが大きく変化します。

前屈する
●●●●○ 変化は大きい
お尻の後面が上下方向に伸びる

膝をあまり曲げず上体を前へ倒すと、骨盤の回転と体幹の屈曲によって身体の後面が長くなります。横に広がるというより、縦方向の伸びが大きい動きです。

椅子に座る
●●●●○ 変化は大きい
横にも前後にも広がり、下側も変形する

3D計測では、座位でヒップ周囲・横幅・前後の厚みが増えています。座面に支えられることで、お尻の輪郭そのものが大きく変わります。

かがむ
●●●●○ 変化は大きい
お尻下部から太ももとの境目が開く

膝と股関節を曲げて体を低くすると、臀部下部と太ももの位置関係が大きく変わります。前屈よりも、お尻の下側の形の変化が強くなります。

深くしゃがむ
●●●●● 最大級
臀部下部〜臀溝付近が大きく伸びる

股関節と膝が大きく曲がり、太ももがお腹側へ近づきます。日常動作の中でも、お尻下部と太ももの境目の形が最も大きく変わる動作の一つと考えられます。

●の数が多いほど、ヒップ形状の変化が大きいと考えられる動作です。

動きによって、変わり方も違う

前屈は後面が縦に伸びる。
座ると横にも前後にも広がる。
深く曲げると、お尻の下側が大きく変わる。

「どれだけ変わるか」だけでなく、どの方向に、どの部分が変わるかを見ると、お尻の動きが分かりやすくなります。

02

3D人体計測による実測

4つの姿勢では、座ったときの変化が最も大きかった

女性25人を対象にした3D人体計測では、立位を基準に、膝を大きく曲げた姿勢、一歩踏み出した姿勢、座位を比較しています。

立位

基準姿勢

他の姿勢の寸法変化を比較する基準です。

膝を曲げる・一歩出す

下半身の寸法が変化

動作にともなって複数の下半身寸法が変わりました。

座位

最も大きな変化

比較した4姿勢の中では、座位で最も大きな寸法変化がみられました。

座ったときに変わる場所

ヒップ周囲だけでなく、
股ぐりやお尻から脚につながる部分も変わる。

座位では、ヒップ周囲のほか、前後の股ぐり長や、後ろ中心から脚へつながる長さにも大きな変化が報告されています。お尻は単純に横へ広がるだけではなく、下側から太ももへつながる部分を含めて形が変わります。

03

3D人体計測による実測

座ると、ヒップは横にも前後にも広がる

40〜59歳の韓国人女性を立位と座位で3D計測した研究では、座ったときにヒップ周囲だけでなく、横幅と前後の厚みも増えていました。

+12.7 %

ヒップ周囲

+7.2 %

ヒップの横幅

+5.7 %

ヒップの前後の厚み

座ると、お尻の輪郭そのものが変わる

この研究では、立位から座位になると、腰からヒップにかけて身体の断面形状が変化し、ヒップは横方向にも前後方向にも大きくなりました。同じ人でも、立っているときと座っているときでは、お尻の形は同じではありません。

研究によって数値は異なる

若い女性25人の別研究では、
座位のヒップ周囲は約7%増加。

計測方法や年齢、姿勢条件が違うため変化率は一致しませんが、どちらの研究でも、座ることでヒップ寸法が大きく変わることが確認されています。

04

体表計測・MRIによる実測

お尻の中でも、下側の変化が大きい

お尻のどの部分が大きく変わるかを見ると、部位による差がさらに明確になります。

お尻と太ももの境目・臀溝付近

約40 %伸長

男性10人の自転車動作を測った体表変形研究では、お尻と太ももの境目にあたる臀溝付近で、大きな皮膚表面の伸びが測定されました。

臀部のふくらみ付近

約15 %伸長

同じ研究で、臀部のふくらみ付近の伸びは約15%でした。お尻の中でも、場所によって変化量が大きく異なります。

座位でも、お尻の下側から太もも方向へ組織が動く

座った状態をMRIで調べた研究では、臀部の軟部組織は上下方向だけでなく、太もも方向にも大きく変形していました。坐骨下で平均21.4mm、太もも方向で平均20.3mmの変位が報告されています。

共通して見えること

変化が大きいのは、
お尻の下側から太ももへつながる領域。

体表面の伸びを測った研究でも、MRIで内部組織の移動を見た研究でも、臀部下部から太ももとの境目にかけて大きな変化が確認されています。

研究条件の違い

約40%・約15%は男性10人の自転車動作、21.4mm・20.3mmは座位のMRI研究による値です。女性の日常的な「かがむ」動作を直接測った数値ではありません。このページでは、動作時に臀部のどの場所が大きく変化するかを確認するために使っています。

05

立ったときのヒップ寸法だけでは、動いたときの形は分からない

座る、膝を曲げるなどの動作では、ヒップ全体の寸法だけでなく、お尻の下側から太ももとの境目にかけて大きな変化が起こります。

「ヒップ○cm」は、立った状態の一つの寸法

同じ人でも、座ればヒップ周囲・横幅・前後の厚みが変わります。さらに、お尻の中でも変化の大きい場所と小さい場所があります。

ショーツとの関係

ショーツが包むお尻は、
動いている間ずっと同じ形ではない。

女性用ショーツのフィットを考えるには、立位のヒップ寸法だけでなく、日常動作でお尻のどの部分が大きく形を変えるかを見る必要があります。

参考にした研究

座る・立つ動作を詳しく見る

座ったときにお尻の下側と太ももとの境目がどう変わるかは、 座る・立つで、お尻の形はどう変わる? で詳しく紹介しています。

動くお尻に対して、ショーツはどう作るか

座る・かがむ・しゃがむなどでお尻の形が変わるとき、 ショーツの足口や後ろ身頃をどこに置くかで、ずり上がりやすさは変わります。 トラタニショーツがずり上がりにくい理由 では、一般的なショーツとの形の違いを紹介しています。