トラタニのショーツ研究 TORATANI SHORTS RESEARCH

女性用ショーツを考えるとき、ヒップサイズだけで足りるのか

女性用ショーツは、ヒップを包む衣服です。ところが、同じ「ヒップ○cm」でも、お尻の横幅や前後の厚み、脂肪や筋肉のつき方まで同じとは限りません。ショーツの形やフィットを考えるうえで、まず女性のヒップそのものにどのような違いがあるのかを知る必要があります。

そこで、日本人女性と米国白人女性ではヒップにどのような違いがあるのかを調べました。最初に確かめたいのは、米国白人女性のヒップが大きいのは、単に身長や体格が大きいからなのか、それとも体格以外の違いもあるのか、という点です。

日本人女性と米国白人女性の体型差

ヒップが大きいのは、
単に身体が大きいから?

身長が高ければ、ヒップ周りも大きくなります。
では、体格をそろえて比べると違いは残るのでしょうか。

研究をたどると、日本人女性と米国白人女性の違いは、単純な身長差だけでは説明しきれません。 同じくらいの体格でも、脂肪や筋肉がつく場所には違い が報告されています。

01

BMIが近い女性でも、ヒップ周囲に差があった

60〜65歳の日本系米国人女性30人と米国白人女性30人を、BMIが近くなるように比較した研究があります。

日本系米国人女性

98.3 cm

年齢調整後の平均ヒップ周囲

米国白人女性

105.4 cm

年齢調整後の平均ヒップ周囲

日本系米国人女性 米国白人女性
BMI 26.5 27.0
ヒップ周囲 98.3 cm 105.4 cm

BMIが近い女性同士を比べても、ヒップ周囲は米国白人女性の方が大きい結果でした。身体全体の大きさだけでは、ヒップ周囲の差を説明しきれない可能性があります。

02

違うのは大きさだけではなく、脂肪のつく場所

同じ研究では、日本系米国人女性と米国白人女性で、脂肪がつきやすい場所にも違いがみられました。

日本系米国人女性

体幹側の脂肪が多い

日本系米国人女性では、体幹側や腹部内臓脂肪の割合が高い傾向がみられました。

米国白人女性

脚側の脂肪が多い

米国白人女性では、脚側に脂肪が多い傾向がみられました。ヒップ周囲の差だけでなく、下半身への脂肪の分布にも違いが報告されています。

若い女性でも

身長と体重をそろえても、
脂肪・筋肉の分布差が残った。

別の研究では、20代の日本人女性と白人女性を身長・体重が近い集団にそろえて比較しても、日本人女性は腹部の皮下脂肪が厚く、白人女性は上腕三頭筋部とハムストリング部の皮下脂肪が厚い結果でした。白人女性は複数部位で筋厚も大きく、単純な身体サイズ以外の違いが示されています。

03

身体が小さいだけでは、説明できない違いがある

体格をそろえた比較でも、ヒップ周囲や脂肪・筋肉の分布には違いが残っています。日本人女性と米国白人女性の差は、単純な身体サイズの違いだけではありません。

01

ヒップ周囲

BMIが近い女性同士を比べても、平均ヒップ周囲に差がみられた研究があります。

02

脂肪の分布

日本系女性は体幹側、白人女性は脚側に脂肪が多い傾向が報告されています。

03

筋肉の分布

身長・体重をそろえた若年女性でも、複数部位の筋厚に差が残りました。

ヒップ周囲だけでは分からない

「小さい・大きい」だけでなく、
身体の形そのものが違いうる。

ヒップ周囲は身体を一周した長さです。同じ数値でも、横幅、前後の厚み、臀部の突出、ウエストからヒップへの形まで同じとは限りません。

04

ショーツでは「ヒップ○cm」だけで十分なのか

ショーツは、ヒップ周囲の長さだけでなく、実際のお尻の立体形状に沿ってはく衣服です。

衣服研究では、3Dの身体形状まで見ている

衣服設計の研究では、3Dボディスキャンからウエスト・ヒップの周囲長だけでなく、身体の前後方向の厚みや形状を分類し、パターン設計やフィットの改善に使っています。

ショーツとの関係

同じヒップサイズでも、
同じ形とは限らない。

身体に密着するショーツでは、ヒップ周囲が同じでも、実際に包む立体形状が違えば、同じパターンが同じようにフィットするとは限りません。

ヒップ周囲が同じでも、ショーツのフィットは同じとは限らない

衣服設計では、周囲長だけでなく、身体の前後方向の厚みや突出、横幅などの3D形状もフィットに関係します。ショーツでも、ヒップ周囲が同じでも実際に包む立体形状が違えば、同じパターンが同じように合うとは限りません。

研究について

このページでは研究対象に合わせて「日本人女性」「日本系米国人女性」「米国白人女性」を使い分けています。人種や国籍だけで個人の体型が決まるわけではなく、年齢、BMI、運動、食事、生活環境などでも大きく異なります。